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そのうち生徒の一人が声をあげる。
「先生ぇー!」
私はついに答えあわせの時間がやって来たか、と振り返り答える。
「なんでしょう?」
「なんでズボンはいてないんですかー?」
とっさに下を向く。
本当だ。はいていない…確かに今日はいつもより風通しがいいとは思ったが…なるほどこういうことだったか。
私がそんなことを考えているうちに教室は大爆笑の渦に巻き込まれていた。
生徒たちが口々に「ありえねぇ」だの「パンツ汚ねぇ」だの「ってか白ブリーフかよ」だのと声をあげて力の限り笑っていた。
その瞳には嘲りや蔑みといった色がはっきりと見てとれた。
普通は屈辱や羞恥で激昂するか、人気のある教師であれば罰ゲームだとかなんとか言ってあっさり回避するのであろうが、
私はどうすることもできずフリーズしてしまったのである。
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