~初めて見る世界~

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アラガウベ・ナ・カルタ付近の山から降りてくる涼しい風が、ヴァルディアの称を剥奪されたシルク・クナイフの茶色の髪を撫でる。 虚しさと申し訳の無さから、シルク・クナイフは今、冷たい墓標の前で肩膝を着いている。 そう、目の前に広がるのは無数の墓。 シルクに用があるのは、その一つ… かつて、同じ学び屋で過ごし、生きていくのが嫌になる毎日を、お互い励まし合って生きて来た旧友であり、恋心を抱いた女性の墓…
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