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その水が包み込む中、上から更に包むように小さな竜巻が生まれる。
それは内部にある水と墓の汚れを落とし、無作為に消えた。
「こんなもんだよね」
シルクが一言呟いた時、汚れに汚れていた墓が、新たな墓石へと姿を変えた。
自然に吹く風が、今だ水滴を残す墓石を撫でる。
シルクはもう一度どリリーナの墓を見てから、背を向ける。
「僕、アラガウベ・ナ・カルタから出るよ…
次に会うのはずっと先の事になるかもしれないけど…
ん、うまく言えない。
けど、応援してて欲しい」
シルクはそう言って歩みを進めた。
次の日、アラガウベ・ナ・カルタでは雨が降った。
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