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「じゃあ、とりあえず新しい地方官の必要性について…ってあれ?」
秘書であるイリアンが、本日の会議内容を読み上げようとした。
だが冒頭を読み上げた時、室内に残る人間は三人になっていた。
「かっかぁ~」
黒く大きな瞳を潤わせて、秘書の役割を担うイリアンはミテリアルの顔色を伺う。
「閣下、その議題はナンセンスですよ?
プライドの高い地方官に、他の地方官は必要か?と聴いているようなものですよ。
侮辱ですか?」
唯一残ったロクタスは赤い絨毯を歩み、女王であるミテリアルの目を覗き込む。
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