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「つーか英雄。あんたさっさと学校行く準備しなさいよ。今日が二年最初の日でしょう? 初っ端から遅刻なんかしたら格好つかないわよ」
「時間なら余裕あるって。大体まだあいつら来てないじゃんか」
「ま、それもそうね」
母さんは納得したように頷き、鮭の切り身を口に放った。
でも、準備しておくことにこしたことはないか。
「ごちそうさま」
俺はさっさと食器を流しに持って行くと洗面所に向かった。
顔を洗って歯を磨いていると、玄関から馴染みの声が聞こえてきた。
「お邪魔します」
玄関を覗いて見ると、ジャージ姿でヘッドホンをかけている見慣れた女の子が立っていた。
小柄で、150センチくらいの女の子。
「おう。おはよーさん」
俺が声をかけると靴を脱ぎ捨て、凄い勢いで走ってきた。
「やあヒーロー。おはよう」
容赦なしに背中に飛び乗ってくる。
重くはないが衝撃が凄い。
「なはは。ヒーロー、寝癖ついてるよー。ようし。僕がなおしてやる」
マイペースに喋るこのジャージ。
郡小陏(こおりこうり)。
ショートに切った髪に、常時ヘッドホンを首にかけている。
目はクリッとしてて、赤いジャージを着ている。
一人称は僕。
ちなみに女の子。
仲間内ではリコと呼んでいる。名前の真ん中をとってリコ。
「いいよ。大人しく待ってろ」
渋々、といった感じにリコは洗面所からでていった。
母さんのところにでもいったのだろう。
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