4月3日 土曜日 喫茶店“エスペランサ”

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しかし、だからと言って殺される理由にもならないだろう。 精々、各々が「死ね」だの「殺したい」と、その気もないのに口にする程度だろう。 「しかし、妙だな。 その話だと、蛍さんは30日の夜から家に帰っていないって可能性がある。 だったら、どうして矢島秀作は警察に……」 「蛍、よく朝帰りとかしてたから。 酷いときは2日後とかも」 「何時もの事だと思った、って事か」 確かに帰ってきた。 冷たい身体になって。 「あ、もうこんな時間」 「何かあるのかい?」 「ええ。友達とご飯食べに行くんです」 「そうか。悪かったね。時間をとらせて」 結衣は一礼して席を発った。 彼女を見送りながら、彰は寒い財布とにらめっこを始めるのだった。
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