1 後編

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もう、呆然とした。 指先や手のひらに伝わるジャリっとした砂やぼこぼこしたコンクリートの感触。 初めて触る地面の、言葉にできない不愉快な感触に、今すぐ手を洗いたい衝動に駆られる。 まだ呆然としたままその場に座りこんでいると、僕とぶつかったであろう人物が声をかけてきた。 その声に反応し、ゆっくりと顔を上げ、その人物を見て、また頭が真っ白になった。 その直後、怒りが沸々と湧いてきた。 .
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