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ゆらりと立ち上がる。
オーダーメイドのスーツも砂利で汚れていることに気づき、手で払おうとしたが、自分の手も汚れていることを思い出し、諦めた。
このスーツは捨ててしまおう。
それよりも、だ。
まずは今もなお、変なものを抱えながら首を上下させて謝っている人物をどうしてくれようか…。
だが、誠心誠意謝ってくれさえすれば、僕も大事にするつもりはない。
そう思いつつも、やはり、髪のセットは直そうとしたときよりも乱れてしまったし、スーツも手も汚れてしまったわけだから、口調がキツくなっていることは自覚があった。
それでも、僕が明らかな不満の意を示せばどんな人であれ、へりくだって謝ってきたから僕にぶつかった彼も同じ行動をするだろうと思った。
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