1 後編

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しかし、彼は僕の予想していた、へりくだった風な謝罪ではなく、気の抜けた¨すみません¨というだけの謝罪。 それからはもう、ただ怒りにまかせて怒鳴りつけた。 そもそも、地味で美しくない人間とぶつかったこと自体、本当に腹が立つ。 顔の造形が美しくないのはどうしようもないことなのは分かるが、せめて髪型や身だしなみくらい整えるべきだろう。 自分の怒りの焦点が彼の投げやりとも言える謝罪から、彼の身だしなみに対することに変わっていることに気付いてはいたが、どうにも止まらなかった。 一通り彼の容貌を批評し、一息ついて今度は彼が抱えているなんだかよく分からない物のことにも口を出そうとしたとき。 「あんた何様だよ!」 .
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