1 前編

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よし、ともう一度気合いを入れ、腕に力を込めてあんずちゃんを運ぶ。 自然とはや歩きになるのは仕方ないと思う。 先ほどから周りの視線が痛いんだ…うぅ。 いくらここがかの有名なオタクの聖地だからってさすがにフィギュアを抱えている奴なんておれぐらいだ。 普通のサラリーマンだって挨拶周りやら営業やらでたくさんいる。 くそう!見るなよ、仕事しろ! なんだか本当にいたたまれなくなってきてただでさえはや歩きだったのに今じゃ競歩並だ。 あんずちゃんの見事なツインテールで前は見えないけど、よく通る道だから大丈夫だろう。 そう…この時のおれは早く家に帰ってしまいたいということで頭がいっぱいで、周りが見えてなくて、だから、おもいっきり人に激突してしまったのも、いたしかたないと思うんだ、うん。 .
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