1 前編

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どんっ ばたっ いつもなら、誰かとぶつかった場合絶対におれがコケる。 運動神経なんて皆無で、すぐに踏ん張るなんて器用なまねはできないからだ。 だけど、この時のおれは違ったらしい。 あんずちゃんフィギュアを抱えているため重量もあったし、なによりあんずちゃんを死守しなければ、という使命感が運動神経の限界を超えて、おれの足腰の筋肉に伝わり、おれを踏ん張らせた。 だから、 転んだのはおれじゃありません。 今、おれの目の前で呆けているムカつくほどにイケメンなサラリーマンさんです。 .
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