1 前編

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やってしまった…! もう少しゆっくりと、前を見ながら歩くべきだった。 いまだに呆けているイケメンサラリーマンに手を差し出し、立ち上がらせたいのはやまやまだが、いかんせん、おれの腕にはあんずちゃんが。 とりあえず、腰も曲げることが出来ないので必死に首をペコペコさせて謝った。 「ごめんなさい、ごめんなさい!急いでいて前をみていなかったんです、悪気はないんです、一刻も早くそこから立ち上がってください、さぁ!」 必殺、謝り倒し。 おれはこの技で数々の難を逃れてきたんだ! まぁ、難と言ってもカツアゲとかだけど。 .
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