1 前編

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フィギュア抱えて高速で首を振り謝り倒すオタク…。 相当シュールな図だろうがもう気にしない。 おれは一刻も早く、この場から立ち去りたいんだ。 そのためには、イケメンサラリーマンに立ち上がってもらい、許しを貰う必要がある。 「君…」 お?イケメンがやっと立ち上がった。 よし、これでこのイケメンが¨大丈夫だよ、君、気にしないで¨的なことを言ってくれさえすればおれは我が家に帰れるんだ! さぁ、言ってくれ、¨気にしないで…「君、なんてことをしてくれたんだい!?」 「ハイ?」 「君のせいでせっかくのスーツが台無しだ!髪のセットだって崩れてしまったし…なにより、なにより!」 イケメンはそこで言葉を切ると、深く息を吸い込みおれを睨み付けながらいい放った。 「僕の美しい、ギリシア彫刻のような手に砂がついてしまったじゃないか!」 …えーと、 洗えばよくない? .
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