プロローグ 選ばれし者

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サワサワサワ 草原を風が吹き抜ける。 綺麗な風じゃない。 どす黒いような禍々しさが溢れる風だ。 この平原を歩いていた少年は寒気がしてぶるっと身震いをする。 彼の名前は雷炎火蝋。 14歳くらいだろう。背は高い方だ。 赤髪の長髪。目は右が赤く、左が黄色い。 「ん?なんだこれ?」 ふと眼を凝らすと目の前に青く半径10メートルはあるんじゃないかという大きなリングが浮かんでいた。 そのリングをまじまじと眺める。 「すげー。光ってるぜ。入れんのか?」 ためしに指を入れて、出してみる。 何の変化もない。 安全かな?と思い、勢いよく入ってみた。 しかし、それがいけなかった。 入ったとたんにまっさかさまに落ちていく。 「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!?!?」 そしてそのまま気を失った。
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