出会い

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とりあえず無難に答えておこう 「ああ、はい。読みました。それで?」 ああしまった‼なんかちょっと上から目線‼面接官みたいな『それで?』を言ってしまった。『で?』じゃないだけマシだけど所詮マシ。だってこういうの慣れてないもん今まで告白されたことないもん告白かどうかもう正直わかんないけど 「初めて見た時からずっと…」 急に話始めたよいや僕がそれでって言ったから急じゃないんだけど僕の中では急なんだよっていうかこれ告白じゃないのか⁉初めて見た時からってもうどう考えても告白じゃないのか⁉ 愛の告白じゃないのか⁉ 全回転再び… 初めて見た時からずっとってどう考えても告白だろ いや正直告白されたら付き合うよ僕は‼初対面だし性格もわからないから友達から始めましょうとか言えないよ‼僕は付き合うしか選択肢を用意出来ないよ‼ 僕は‼僕は‼僕は‼僕は‼僕は‼ だって僕は‼だって僕は‼僕は初めて、今さっき見た時から君がかわいくて‼どストライクで‼ハートを射ぬかれて‼一目惚れしてしまったんだ‼ だから付き合う‼告白されたら‼いや‼もう告白されるとしか考えられないけど‼ さあ続きを言え‼告白しろ‼初めて見た時からずっと好きでした付き合ってくださいと‼もしくは初めて見た時からずっとかっこいいと思ってました付き合ってくださいと‼ そしたら僕は笑顔で 『こんな僕でよければ喜んで』 と紳士的に答えてやる‼ さあ願いを言え‼どんな願いでも一つだけ叶えてやる‼ 「初めて見た時からずっといじめたいと思ってました。私と付き合ってくださいお願いします‼」 「えっ…い、いやです」 告白と同時に腰を曲げ僕に手を差し出した彼女はそのまましばらく硬直して… 「ブサイクのくせにー‼‼‼」 と叫んで泣きながら走り去って行った かわいいけど許さない 学校の校舎裏 コンクリートの地面だけの殺風景な校舎裏で、僕は一人佇む 僕にはまだ春は来ないと思った 殺風景な校舎裏 一人佇む僕 誰もいないのに あくびをして涙を誤魔化す 自分を誤魔化す 今に至る
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