#04~夢現を繋げる者

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#04~夢現を繋げる者

―  悪夢の元凶が白日の元へ晒されつつある夢幻の世界。  現実を失い、夢に幽閉された人々の思いは膨張し、現実世界へ崩壊の秒読みを告げていた。  崩壊を止めるべく、悪夢に対峙する者達の思いが、敵対する夢の思念とぶつかり合う。  そんな夢と現実の激突の傍らには、常に少女の視線があった。  戦いを見つめる少女の手には、夢の元凶を生み出す短剣が握られている。  現実を失い、夢の世界を作り出した膨大な力は、それを所持する少女の思いさえも霞ませてしまう。  手を伸ばしても届かない夢幻の壁。  彼女の名を呼び、夢の底から少女を必死に助けようとする誰かの声がこだまする。  無情にも、掻き消される声……。  虚しくも、届くことなく伸ばされた手……。  その思いが少女へ導かれることを信じて、彼女はひたすらに悪夢の闇と葛藤するのだった。 ……。  悪夢の世界に迷い込んだ者達を、先導するかのように駆け出す無数の光。  その光を追う現実世界の来訪者達も、徐々に真相へたどり着こうとしている。  しかし、今だに光を頼りにすることなく、暗闇の中を歩む者がいた。  古のコレクターの意思を継ぎ、自らの興味の向けられた先に道を見出だす青年の光が、少女に白銀の羽根を届ける。  閉鎖された悪夢が、光の訪れとともに僅かに軋んだ。 …―
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