0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
まだ色彩のない世界で
欲をもって不平等を望んだ
次々と割り当てられる中
強き欲は夜に溶ける色を呼んだ
今までと変わらない自分
けれど確かに
周りは鮮やかに
声を大にして叫んだ
「なんでこうなったんだ」
そんな必死な姿を見て
みんなは笑った
たしかにそうだろう
たしかにそうだが
望めるのならばこのモノクロから
飛び出すきっかけが欲しかった
眩しくなった
悲しくなった
こんな世界で流した涙は
色もなく零れ落ちた
落とした先の色が変わった
声を大にして叫ぶんだ
嫌いを好きにするために
損な姿じゃない
そんなんじゃない
今の色を主張するんだ
自分の証のために
そんな姿がほら
正にその証
全てを望んだ形
この不平等になった世界で…
最初のコメントを投稿しよう!