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右衛門左衛門は戴宗の持つ刀に見覚えがあった。
「……絶刀『鉋』か。
それも虚刀流に殺された刀だが…。」
絶刀『鉋』――四季崎 記紀(シキザキ キキ)の作りし完成形変体刀十二本の一振り。
固さに重点が置かれており、真庭蝙蝠によって涙磊落から収集され、そのまま持ち逃げした真庭蝙蝠を倒した鑢七花が回収し、後に七花が尾張城に殴り込んだ際に真っ先に破壊された刀。
「あ?おたく何ブツブツ言ってんの?」
しかし戴宗はそんなことは知らないので一人でブツブツ言ってる右衛門左衛門を気味悪そうに見ていた。
「気にする必要は無い。 こちらの話だ。」
一方の右衛門左衛門も、戴宗がいきなり襲ってくるタイプの人間ではないとわかった以上構ってやる理由もないため、警戒を怠らないながらも思考を再開した。
「笑えねー冗談…。」
だがその発言が
「気にするかどーかは……」
戴宗のイライラを爆発させた事に――
「俺が決める!!!!」
――右衛門左衛門は気付かない。
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