僕は幽霊~1章~

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今日も一日が終わる。夕暮れ時の太陽がそう教えてくれた。 オレンジ色というか、赤色というか、悩む様な微妙な色合いの太陽を綺麗だと感じながら、今日もくだらない事を考えてみる。 こんな綺麗な夕陽が見れる日は、いつもこんな事ばかりするのが、僕の日常だった。 そういえば、こういう色を朱色って言うんだ。とか 書道で先生が教える時の墨の色は朱色だったとか。 朱色を赤だと信じていたのに、実は赤ではない色に少しがっかりしたとか。 がっかりした気持ちを思い出して、足元に目をやった。 古びた黒い瓦が、夕陽を浴びて鈍い色を放ちながら僕の視界に入ってくる。 それは目の前に広がる強い太陽の光ではなく、優しい蛍のような柔らかな光だ。 それを見るのも実は好きだったりする。 瓦の色や汚れ具合で反射する太陽の色が違って、僕の目を楽しませてくれる。 僕は夕焼けが好きだった。
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