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『つ~い~た~!』
タケルは電車のドアからホームに降りたと同時にそういうと大げさに背伸びをした。
「……。」
ホームにいた初老の男性が呆然とタケルをみる。
タケルが降りた駅は都心から遠く離れた田舎の駅だ。
そこだけ時間がとまったかのような静寂さだった。そんな中を時折蝉の鳴き声が響き渡る。
恥ずかしさが込み上げたタケルは
「さてと…いこうかなぁ。」
と照れ隠しでつぶやくように言った。
改札を抜けると見渡す限り自然に溢れるどこか懐かしい風景が広がる。
「みんな、覚えてるかな?」
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