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「おい。ヒカル!!」
(うん……。)
「ヒカル?」
(う~ん…。もうできません。)
「・・・」
バサっ!
(え??)
何かを剥ぎ取られた気がして、目が覚めた。日差しが目に入ってすごく眩しい。もう朝かぁ…。何時だろ??アタシは目をごしごしと手でこすった。
でも。その次に視界に飛び込んできたのは先輩の真剣な顔だった。
「ヤバイぞ!もう9時半過ぎだから早く帰る支度しろっ!」
「ええええええーーーっ?????」
アタシは驚いて瞬時に体全部の神経が動いた。ありえないくらいの速さで飛び起きると、お布団が剥ぎ取られていて裸のまま。
恥ずかしいけど、そんなこと言ってられないくらい焦ってて。だって…。ホテルのチェックアウトが10時なんだもん!!!
マッハで洋服を着て、歯磨きを済ませ、少し散らかった部屋を整える。
忘れ物がないようにバッグの中に仕舞うものはしっかり仕舞って、結局部屋を出たのはチェックアウト5分前だった。
ロビーで会計を済ませて、10時ピッタリにホテルを出て。車に乗り込んでから2人でふーっとため息を漏らした。
「ギリギリだったね」
先輩がペロっと舌を出しながら笑って言った。アタシもうんうんと頷く。まさか、あんなに寝坊するとは思わなかった…。
「しっかし…。今回の旅行で、ヒカルがよ~くわかったよ。よく寝るよな…。子供みてぇ」
先輩はクスっと笑ってアタシの頭をくしゃっと撫でた。
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