◆chap.10 これからも、ずっと

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 「おい。ヒカル!!」  (うん……。)  「ヒカル?」  (う~ん…。もうできません。)  「・・・」  バサっ!  (え??)  何かを剥ぎ取られた気がして、目が覚めた。日差しが目に入ってすごく眩しい。もう朝かぁ…。何時だろ??アタシは目をごしごしと手でこすった。  でも。その次に視界に飛び込んできたのは先輩の真剣な顔だった。  「ヤバイぞ!もう9時半過ぎだから早く帰る支度しろっ!」    「ええええええーーーっ?????」  アタシは驚いて瞬時に体全部の神経が動いた。ありえないくらいの速さで飛び起きると、お布団が剥ぎ取られていて裸のまま。  恥ずかしいけど、そんなこと言ってられないくらい焦ってて。だって…。ホテルのチェックアウトが10時なんだもん!!!  マッハで洋服を着て、歯磨きを済ませ、少し散らかった部屋を整える。  忘れ物がないようにバッグの中に仕舞うものはしっかり仕舞って、結局部屋を出たのはチェックアウト5分前だった。  ロビーで会計を済ませて、10時ピッタリにホテルを出て。車に乗り込んでから2人でふーっとため息を漏らした。  「ギリギリだったね」  先輩がペロっと舌を出しながら笑って言った。アタシもうんうんと頷く。まさか、あんなに寝坊するとは思わなかった…。  「しっかし…。今回の旅行で、ヒカルがよ~くわかったよ。よく寝るよな…。子供みてぇ」  先輩はクスっと笑ってアタシの頭をくしゃっと撫でた。
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