1517人が本棚に入れています
本棚に追加
梅雨も明け、茹だる様な暑さになってきた7月24日。今日から夏休みに突入した。
学校に行くのも暑くて面倒だしこのタイミングで夏休みっていうのは丁度いいんだけど……毎日、真山(まやま)先輩に会えないのは寂しいな……。
そんなことを思いながらアタシはクーラーの効いてるリビングで、ソファにゴロンと横になりながら昼寝でもしようと目を閉じた。
───先輩と付き合うようになって早2ヶ月。
学校でも大人気の先輩だから、私達の噂で持ちきりかと言えば、そうでもない。付き合っていることは友達の亜紀(あき)以外には内緒にしてあるから。
亜紀は最初私達のことを聞いたときかなりビックリしてたみたいだけど、最近では書道部に顔を出すと、先輩の前で「ヒカル、最近キレイになりましたよねーー?」なんてカマかけたことを言ったりするの。
でも先輩も負けじと「だよね?誰のお陰だろうね~?」なんてシレっと意味深な笑みを浮かべながら私の顔を見る。
もぅ…。皆で面白がってアタシをからかうんだから。
先輩は付き合ってることをオープンにしたいみたいなんだけど、アタシは先輩のファンの女子から睨まれるのが怖くて伏せてもらっている。
「何かあったとしてもオレ、ヒカルのことちゃんと守れる自信あるけどな。それに、ヒカルはオレのものだ!ってみんなに公言しときたいのに…」
先輩はいつもそう言ってアタシの頭を撫でてくれるけど、甘えてばかりもいられないよ。
だって、先輩はいつもアタシに甘く優しく接してくれる。それだけで十分なんだ…。
最初のコメントを投稿しよう!