◆chap.1 まだ…リハビリ中?

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 「は……ぁ…んん…っ」  先輩と唇を合わせると、いつもそんな声が出てしまう。キスをやめて欲しくなくて、もっともっとっておねだりすると先輩はいつもクスっと笑う。  「初めてオレとキスした時はボーっとしてたくせに」  ・・・確かに、そんなこともあった。  でも、先輩の手ほどき(?)のお陰か、このねっとりと絡みつくようなキスで欲望のスイッチが入る。体中を触られると、本当に気持ち良過ぎて気が遠くなる。  前に比べればだいぶ先輩との行為に集中できるようになってきた。  だけど。これは、リハビリ段階の私で…。  実はまだ最後までは進んでいないの。付き合ってから2ヶ月の間に、先輩からの手ほどきを受けたのは多分、5~6回くらい。  ゆっくりゆっくり、時間をかけてアタシの気持ちを解してくれる先輩。基本は優しく。でも、時には言葉で指で攻められて頭も身体も蕩ける感じ。  足のつま先まで甘い痺れに支配される頃には、アタシも本当に大胆になってるなーなんて思う。  でも、ヘンだよね。身体の隅々まで見られて恥ずかしいはずなのに、そのほうが気持ちがいいなんて。  「可愛いよ…。ヒカル」  先輩の甘い声で囁かれると、声を出すのを我慢できなくなるの。  「そう…もっと、イイ声聞かせて……」  そう言われて強く抱きしめられるときはすごーく、すごーーーく愛されてるって感じがする。  先輩のお陰でアタシの中の“H=怖い”っていう概念はかなり遠くまで吹き飛んだ。  今じゃ、最後までしないのがちょっと寂しいくらい。
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