◆chap.10 これからも、ずっと

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 ・・・・ぐはーーーっ!!なんか、言われちゃいけないこと言われたような……。  女の子たるもの、先に起きて身支度を整えて、彼氏を優しく起こすのが当たり前だ・・・よね??  なのに、アタシったら全然起きられないなんて何たる失態!!!言い訳すら見つからないよ。  ・・・今すぐ穴掘って隠れたい気分……。先輩…、ホントごめんなさい……。  車は自宅に向かって走り始めた。先輩の運転はやっぱり心地いい。  無言のままでいると、ふと昨日の夜のことを思い出した。それだけで顔が赤くなる。  (アタシ…、とうとう先輩としちゃったんだなぁ……。)  夢じゃないことはアタシの身体が証明してる。・・・ヒリヒリするし。違和感あるし。  セックスなんて大嫌いだったのに…。相手が違うだけでこんなにも変わるもんなのかな?  そういえば、先輩が言ってた。男はAVの影響で女の子の身体のこと、色々勘違いしてるヤツが多いって。  アタシ、AV見たことないからその辺よくわかんないんだけど……。悠輔も、もしかしたらそうだったのかな??  「・・・ヒカル、何考えてんだよ?」 アタシが黙々と考えごとしてたら急に先輩に声かけられた。  「え?・・・あ、いや……、ちょっと……」  まさか、昨日のこととかアレやコレやを考えてましたとも言えなくて言葉を濁してると。  「何か急に顔赤くなってニヤけたと思ったら真剣な顔してボーっとしてるし。百面相だな。ちょっとウケたよ!」  そう言って、アタシの頬をツンツンとつついた。  「あ、危ないですよ!先輩!今運転中なんですから!!」  「信号赤で停まるトコだったから平気だよ。それより、お前また先輩って呼んだな!?」  ・・・・あ!  「だって…、ずっと先輩って言ってきたから急に変えるのはムリ……」  そう言いかけたとき、先輩はアタシの肩に急に手を掛けてきて自分のほうに引き寄せた。  反射的に先輩に顔を向けたら、先輩の顔が近づいてきて。べろちゅう、された。  信号が青になったからすぐに離れてまた運転し始めたけど……。恥ずかしくて何て言っていいかわかんなかった。
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