◆chap.10 これからも、ずっと

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 やばい…。アタシ…、どんどん先輩にハマっていきそうでこわいかも……。  昨日も思ったんだけど、先輩と抱き合ってると、不思議とすごく幸せな気分になるの。  恥ずかしいのに、そんなこともまるごと全部優しく受け止めてくれるっていうか。心を解してくれて、甘い気分にさせてくれる……。  その雰囲気だけでアタシの気分がどんどん高揚するし、それがクセになりそうでこわい。  今みたいな不意打ちのキスだって、アタシはいつもどこかで期待してる。  恥ずかしいくせにそうしてほしいなんて、こんな複雑な感情、先輩に言ってもわかんないだろうな……。  *****  結局。帰りは途中でファミレスに寄って腹ごしらえしたあと、真っ直ぐ家路を急いだ。  13時30分過ぎにアタシの家の近くに着いたけど、なんとなくまだ離れたくない気分で、もう少しだけ車でお喋りすることにした。  「ヒカルさ、また泊まりとか平気?」  「うーん…」  アタシは即答できなくてちょっと悩んだ。正直微妙だったから。  今回だって、亜紀の家に泊まるって言ったときお母さんが亜紀の親に電話して挨拶するとか言い出してちょっと大変だったし。  もっと気楽にお泊りできたらいいのに……。女の子は色々制限があってツライな……。  でも、できればまた先輩と一緒に過ごしたい。今回は張り切りすぎて体調崩しちゃったけど、次回こそは丸一日先輩と楽しみたいから。  「すぐにはムリですけど、もう少し期間を開けたら大丈夫かな?冬とか…。そのくらいの時期になったら多分平気です」  「・・・了解。じゃぁ、クリスマスん時とか一緒に過ごせたらいいな」  アタシはこくんと頷いた。そんな先の約束、してくれてウレシイな。  そんなこと思ってたら、車の中なのに先輩が手をつないでくれた。手だけでじゃれあうのってくすぐったい。笑いながらお互いの手を絡ませあってたら、突然。
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