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こんなに青い空。
こんなに白い雲。
なのに私は一体何故、黒板に書かれた二次関数と対峙し、頭を捻らなくてはならないのか。
後世に残すような疑問ですね。
いやはや、こんな時に限って必要としないどころか、捨てたい記憶が蘇るものでございまして……
「お前、将来何になりたい?」
「えっとね、うんとね…………………お化け!」
はい、過去の汚点です。
ごく普遍的な小市民の小娘である私が、こんなこと言うはずがないですね。
だからこそ人はそれを『黒歴史』と呼び、記憶の奥底に閉まっておくのです。
最大の難点。
それはこの記憶が会話文であるという事。
つまり、もう一人分の記憶が存在している事実を示唆するものであり……
「えっと、青山。
問題解こうな?」
「面目ない」
当然、かような考察も新たな黒歴史を作っていくのであり……
「おーい、青山!?」
「……申し訳ない」
作っていくのである。
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