むしろ悪戯させて下さい

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「トリック・オア・トリートです!!」 「あ、マリア…………妖精?」 「はい!妖精さんです!!」 腹に抱き付いているマリアは、薄いきらきら光るドレスを着ている。隠すべき場所は隠れているが、煌夜は少し薄過ぎやしないかと心配になる。 「こんばんは、コウヤさん」 「サリアは………倭国色お化け?他と毛色が違うな………趣味?」 「くじ引きですよ!!!」 引いている煌夜に、心外とばかりに叫ぶサリア。死装束を纏い口の端から血が垂れている。仮装に於いて、サリアは運が悪いのだろうか。 「ほら、お菓子」 「イタズラでも良いんですよ?」 「…………サリア」 「………私じゃありません。私は止める側です」 「コウヤさん?お姉様?」 黙ってしまった煌夜とサリアを交互に見るマリアに、二人は慌てて笑顔を作る。
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