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「あなた達はグラウンドに行かないんですか?」
今グラウンドでは、誰かがノリで用意したキャンプファイアーの周りで、皆がお菓子を食べている。
「勿論行きますけど…………コウヤ先生に、渡すものがあるので」
「私に?」
煌夜が不思議そうにアストライオスとアステリアを見ると、二人は微笑んで袋を渡してきた。
「コウヤ先生、まだ十六歳ですよね」
「たまに忘れてしまいそうですけど…………本来なら後輩なんです。ハロウィンを楽しんで下さい」
「…………ありがとう、ございます」
そう言って微笑んだ煌夜の手を二人が引き、三人は手を繋いでグラウンドへと向かう。
煌夜は少し恥ずかしそうだったが、生徒達の輪の中で楽しく過ごす事が出来た。
「(いつか……………この風景も………)」
その時に心に生まれた一抹の寂しさを誤魔化す様に、煌夜は笑い続けたのだった…………。
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