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葉が散り、冷たい雨の日が多くなった事で、生徒達も冬を間近に感じ始めていた頃。
煌夜の居る図書塔は水を湯に変えたり(湿気は遮断)、休憩スペースの暖炉に火をいれたりして寒さを凌いでいた。
煌夜も冬服を買え揃え、人並みの防寒はしている。
「くそ………仕事が終わらねぇ………」
『頑張ってくれ』
必死に何かを書き写す煌夜と、止まり木の喋る鷹。
奇妙な光景だが、何日か前からの事なので生徒達は気にした様子もない。
………では、この鷹が何なのかと、煌夜の状況を説明しよう。
実はこの鷹、例のキアが代理を頼んだ人の鷹で、魔力で本人と感覚がリンクしている。
そして煌夜を見張っている理由は、対価をしっかり払ってもらうためだった。
その人が要求したのは、古代の言語で書かれた本の翻訳。つまり今、煌夜は翻訳作業に追われているのだ。
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