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あれから、暫くの時が経った。
多少フローラと居る時間は長くなったが、婚約してからも煌夜の生活に大きな変化はない。
しいていえば、本の整理がないので、キアの仕事に付き合う事が多くなった事だろうか。
ともかくも、平坦とした日常が煌夜に戻っていたのである。
しかし、雪が溶け始めた頃、その静寂は破られた。
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最近は珍しくないが、今日も昼間から理事長室に居る煌夜。束になった書類を嫌そうに捲りつつ、羽ペンでカリカリと加筆、修正を施している。
理事長専用のテーブルで仕事をしているキアも、煌夜と同じく嫌そうだ。羽ペンの羽で額を撫でながら仕事を進めている。
グチグチと担当者への愚痴や不満を溢しつつ、煌夜達は仕事に取り組んでいた。
「何で箇条書きなのよ……………ん?何よこれ」
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