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「不躾な警戒、謝罪いたします。どうぞ此方へ」
守衛が門に手を当てると、青銅色の鉄柵で造られた門が開き、敷地内へと招き入れられた。
「この者に案内させます。私は仕事があります故」
「はい。私が案内を務めさせて頂きます」
門のすぐ裏側に居たのは、プラチナブロンドに長身の、凛々しい麗人。ビシッと黒いスーツを着こなしている。
「お願いします」
「仕事ですので。では、ラフィル様の元へ参りましょう」
仕事と言い切った麗人は踵を返し、少し狼狽えた煌夜を置いて歩きだす。
煌夜も我に返り、ゆっくりとした歩調の麗人にすぐに追い付く。
彼女なりに煌夜へ合わせていたらしく、煌夜が追い付いてからは歩調が少しだけ速まった。
「(きびきびした人だな………)」
煌夜はそんな彼女に怒りは覚えず、逆に感心していた。
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