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ラフィルの許可が出ると、煌夜は落ち着かない感じで会釈をして部屋を出た。
ラフィルは煌夜が立ち去ったのを確認すると、独り溜息と伴に呟く。
「皆あれだけ解りやすければ…………」
諦めた様にもう一度溜息を吐くと、ラフィルは重い腰を上げて仕事に戻った。
~~~《彩風の森》~~~
「此処が……」
煌夜が転移で連れてきてもらったのは、件の森。
《彩風の森》は名前の通り、風までもが色づいたかの様な森だ。
色とりどりの華や木の実、光を反射して所々が七色に輝く不思議な岩、紅い羽根を持つ大きな鳥。
どれもが予想を超える鮮やかさで、煌夜は言葉を忘れてその光景を見続ける。
だが、鳥の羽ばたく音で現実へと引き戻される。
「この森が……俺の…………」
そう自覚した瞬間、歓喜が煌夜の身体を内側から震わせた。
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