楽しい森の創り方

13/24
前へ
/1105ページ
次へ
細身な木々の間に出来た小さな獣道を、木漏れ日の下歩む。 まるで奇蹟のような景色に心を踊らせながら進むと、唐突に獣道は終わりを迎える。 そこは、まさしく世界の奇蹟の中心だった。 煌夜の数歩先から広がるのは、浅く、だが生命の息吹を感じさせる広い泉。 森中央部の近く存在するこの泉は、周りを木々に囲まれながらその範囲を広げてきたらしく、泉の中からも所々木々が成長している。 反射される木漏れ日に煌夜は片手を翳しながら、奥を見つめる。 泉の中心。 途中からへし折れ、苔すら生えている大樹の根元に《それ》は居た。 「…………聖龍」 神聖を名に含む所以は、やはりその姿にあるのだろう。 超然、神聖、優美、玲瓏、優雅─────如何なる言葉で表現出来るのだろうか。
/1105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43733人が本棚に入れています
本棚に追加