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「レイン!!また硝子割ったな!?」
「ごめんなさい!!」
静かな《彩風の森》に、怒声が響く。
続いて、どたどたと走る音も聞こえてきた。
「捕まえた!!」
「あぁ~、捕まった~」
「お前楽しんでたな!?」
音の発信源達───煌夜とレイン───は、中庭に居た。
どうやら硝子を割って逃げたレインを追っていたらしく、煌夜は後ろからレインを持ち上げていた。
「毎回毎回、直すのは俺なんだよ!!」
「ごめんってば~。反省してるよ?」
「………ったく、お前は。いい加減人間の力加減に慣れろよ」
そう言って、煌夜はレインを地面に降ろす。
レインは頭を掻きながら曖昧にあははと笑い、顔を背けた。
「もうたまにしか失敗しないじゃん。大丈夫だいじょ─────侵入者?」
「…………確かか?」
「人間だね。間違いない」
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