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煌夜の目付きが一瞬鋭くなるが、すぐに緩む。
「この森には害意のない奴しか入れなくしてある。悪い奴ではないだろ」
「うん…………たぶんね。結界が破られた訳じゃないし」
レインも頷き、期待に満ちた目で煌夜を見る。
「じゃあ、その人間を見に行こうよ!」
「…………お前も来んの?」
もとより、煌夜は様子を見に行く予定だったらしい。
煌夜は意外そうに、瞳を輝かせるレインを見る。
「退屈しのぎにね」
「まぁ、一緒に行ってみるか。………《転移》」
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転移先は、《彩風の森》の、南東部の入口。
そこに転移した煌夜とレインは、木陰に隠れながら、対象の姿を探す。
「あの黒い塊か……?」
「ん………怪我してるみたいだねぇ。あれ、この匂いは─────」
レインが話している途中で、怪我と聞いた煌夜が木の陰から飛び出す。
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