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「にゃあ……………水浸し」
「俺もだよ…………」
全力で水を掛け合い、しかも水苔に足を滑らせて転んだりした結果、二人は全身から水を滴らせている。
「火属性は苦手なんだよな…………」
以前にマリアの髪を乾かした温風は出せるが、それでは全身を乾かす事は出来ない。
火属性を持つ人間なら全身から熱を放出して乾かすのだが、魔法陣を使う煌夜にはとても再現しにくく、調節の効きにくい魔法だった。
まさか全身に火傷を負わせるかもしれない魔法を、エリスに使用する訳にはいかず、煌夜は他の打開策を打ち出す。
「家で風呂入れよ。服単体なら、すぐに乾かせるし」
「…………一緒に?」
「一人でな」
無表情で言われると判りにくいが、おそらく冗談だったようだ。
エリスは黙って煌夜の服の裾を握り、二人は転移した。
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