主人公とは一体なんなのか。

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すると、空中に半透明なスクリーンが浮かび上がり、少年の記憶が再生される。 飛ばし飛ばしに流れていく記憶を見ていたが、その生い立ちは理想的なものだった。 東の貴族に産まれ、優しい両親と使用人、可愛い妹に囲まれて育ち、本人も穏やかな気性を持つ。 豊かな魔法の才能の片鱗を僅か十歳にして現し、周囲を驚かせていた様だ。 「何と言うか、凄いな」 「そうね。マナに愛されてるみたい」 「それは珍しい………」 そして遂に、バンパイア襲来の場面へ移る。 舞台は満月の夜。 バンパイアはやはり狂っていたらしく、狂笑を辺りに響かせながら、自身の弱点であるはずの炎を屋敷に広げていく。 炎に照らされるのは、惨殺された使用人と親の姿。 少年の視界はブレて消えかけるが、バンパイアに首を持ち上げられて意識を戻される。
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