眠り姫(サンヨウトリオ)

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「な、な、なんつー無防備な姿!」 「声がうるさいですよ」 「だって見てみろよ……すげぇ可愛い」 二人が見ているのは、ベッドの上で無防備に眠るデント。 溺愛というか一線越えた思いを持つポッドとコーンに、そんなデントを放っておくわけがなかった。 「これって……チャンス、だよな」 「そうですね……でも」 お互いデントを狙うライバル同士。 「…なぁ、お前仕事残ってたんじゃねーの? 俺がデント見てるから片付けてこいよ」 「そんな気遣いはいりませんよ。 アレくらいすぐに片付けられますから。 それより貴方は今日買い出し当番でしょう? 早めに買ってきておいた方がよいのでは?」 お互い一歩も譲らない攻防戦が続く。 睨みあって叩いて叩かれて。 どちらかというとコーンの方が押しているが。 「俺がデント見てるって言ってんだろ!」 「いいえ!デントはこのコーンが見てますのでご安心を!」 「お前だから安心出来ねーんだよ!」 「ポッドよりは安心だと思うのですが?」 二人が言い争っているうちにデントに忍び寄る小さな影。 ちゅっ、とリップ音が響く音を聞いた二人はデントの方へと視線を向ける。 ヤナップがデントの頬にキスしていたのだ。 「ん………くすぐったいよヤナップ」 ヤナップはデントに頬を擦り寄せじゃれ始める。 そのせいで寝ていたデントも目を覚ましてしまった。 「あぁーっ!!!」 「やれやれ…先を越されましたね」 肩をガクリと落とす二人。 そんな二人にヤナップはさらなる追い撃ちをかけた。
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