エピソード2~モンブラン~

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ここは、学校の図書室。 私の大切な場所。 今日も私は本を読みに訪れた。 大切な彼と一緒に。 「この本はね。ミステリーだけど、登場人物が個性的で結構読みやすいよ。それに、ストーリーがすごくいいの。最後は大どんでん返しだし、今一番のおススメ~って聞いてるの?」 仲良く隣の席で一つの本を挟み、神谷に熱弁をふるう私。 だけど、神谷は頬杖をつきながら、本ではなく私のおさげをずっといじっている。 「ん~? 聞いてるよ~」 そんなふうには全く見えない。 「もう、触らないで!」 神谷の手からおさげを奪い返すと、べーっと舌をだし、くるっと背を向け、本を読み出した。 お気に入りのおさげを奪われ、不満の神谷の瞳がきらりと光る。 後ろから手を伸ばし、私からすばやく本を奪ったのだ。 「何すんのよ!」 怒った私が、神谷の方へと振り返ると、すばやく顔を近づけてきた。 見開きの本の裏で重なり合う唇。 ゆっくり離れると、神谷が舌をだし、言った。 「仕返し」 その後、顔が真っ赤に染まった私に、平手打ちを食らったのは言うまでもない。                       完                  
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