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照りつける太陽と汗だくになるほどの暑さの中、セーラー服姿の『あきら』はとぼとぼ歩いていた。
ずっとうつむき歩いていると、涙がこぼれそうになる。
そんなあきらの目の前にレトロな雰囲気の小さな喫茶店が現れた。
『こんなところに喫茶店なんかあったっけ?』
首をかしげながら恐る恐る入ってみる。
ドアを開けるとシャリーンという可愛らしい鈴の音が鳴った。
そして、そこで待っていたのは、ビラビラのフリルがついたスカート姿のメイドさんだった。
「お帰りなさいませ。お嬢様」
彼女の満面の笑顔と発せられた言葉にあきらは顔を引きつらせながら、回れ右をする。
「お邪魔しました」
「いや~ん。待ってください。お嬢様」
「いえ。いいです」
「そう言わずに~」
あきらはメイドさんに腕を掴まれ、強引に席に座らされた。
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