4年前の6月2日 08時13分

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    「入らないで下さいっ!」 部屋に入ろうとした人たちはその声にびっくりして身をすくめた。 「無闇に入って現場を荒らさないで下さい。ここは殺人現場です。どこに犯人を特定できる証拠があるか分かりませんからね」 「殺人……!?」 中年夫婦の妻が殺人という単語に驚き小さな悲鳴をあげる。 だが、中年夫婦の夫は動揺しながらも黒スーツの女の矛盾を発見する。 「あ、あんただって部屋に入ってるだろう!? あんたが一番現場を荒らしてるんじゃないのかっ!?」 「私は、大丈夫です」 黒スーツの女は毅然とした態度でそう言った。 その態度が気に入らなかったらしく中年夫婦の夫はさらに追及した。 「なんでだよっ! まさか私は警察だ、なんて言うなよ!?」 「残念ながら私は警察ではありませんよ。 なにせ、探偵ですから」 その言葉を聞いた場の全員が唖然とするのを見て、黒スーツの女が苦々しく笑った。    
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