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淳也は、わけがわからないと言いたげな原町には目も向けず、がたん、と勢いよく立ち上がる。
「みんなわかってない、わかってないよ! 何がって? そんなんわかるだろ!? 間野だよ間野! 皆さぁ、間野の可愛さちっともわかってねー! あっ恥ずかしいから間野には言うなよ? 兎に角オレは思うわけよ、超可愛い」
くるっ、と一回転し、ぽかんとしたままの原町にニッ、と爽やかな笑みを向けると軽やかな足取りで教室を出ていった。
机の上で固く握られた拳を、淳也は知らない。
「何で、何で、何で、」
ただ、それだけだった。
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