再会

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相模川の土手。 スネヲはついにワゴンRとの再会を果たした。 スネヲは満面の笑みで車に駆け寄りへばり付く 「会いたかったぞおー!よくぞ一人で戻ってきてくれたっ!さすが俺の自慢の車だな!」 もちろん一人で戻ってきた訳ではない。 スネヲは運転席のドアに手をかけた時、異変に気付いた。 ドアが開かない…。 「おいっ!開けろよ!俺は持ち主のスネヲ様だぞ!!」 スネヲは必死に車に話かけるが、この小説をトランスフォーマーと勘違いしてはいけない。 しかし… ガチャッ 鍵が開いた。 「はっはっはっ!話せばわかる奴だな!」 スネヲは本当に勘違いしている。 喜んでドアを開いた が、 人の気配を感じて後ろを振り返った。 そこにのびて太がいた ワゴンRの鍵を片手に持ち スネヲの真後ろに立っている のびて太は スネヲを見てる それはもう鬼のような形相で睨んでいる 誰が見ても怯えて足がすくむほど強烈に睨みつけている 防御力を下げるほど にらみつける のびて太はそんなつもりだった。 残念ながらのびて太の表情はあまり変わってない。 強いて言うなら少し口が尖んがっているくらいである。 スネヲは逆に戸惑っている えっ?えっ?と小さい声を発した後にこう呟いた。 「…お前も乗りたいのか?」 のびて太は 頷いた。 運転席にスネヲ 助手席にのびて太 2人を乗せた黒いワゴンRは 沈黙の中、走り出した。 互いに一言も喋らないが 車内にはゆっくりと曲がながれている トイレには~ それは~ それは綺麗な~ 女神様が~ いるんやで~ …しんみりとする車内 次第に潤っていく瞳 2人の目から一筋の何かがスーッと流れた。
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