ただ、大きな望みは無いのである

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一ヶ月ほど立ったある日。猫は住みかにしている公園で四ツ葉のクローバーを見付けました。 持っていけば、女性が喜ぶだろうと思ったからです。 一茎のクローバーをたおってくわえていつものアパートへ向かいました。 思えば、調子に乗っていたのかもしれません。 うきうきと猫は女性の部屋へ行きました。窓は開いています。 窓辺に座ってクローバーを置いて一声かけました。 いえ、鳴きました。 声に気付いたのか女性がこちらを向きました。 「きゃぁあ!!」 女性は猫を見ると大概「かわいい」といいますが、女性は違いました。
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