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俺がこの世界を嫌悪し始めたのはあの日を除いて他にはない……
妹が親に殺されかけた小学六年のあの日……
あの日から妹は意識が戻らず植物状態のまま……
それ以来、妹を護れなかった俺は自分を責め続けたせいで性格が暗くなって友達もいなくなり、嫌がらせを受けたりもした。
だが俺はそれに屈したりはせず、逆にそいつらを潰してきた。
なぜなら、他人に屈するのが屈辱的でもあったし、自分より下等な奴らに下に見られるのが嫌いだったからだ。
そして、嫌いな奴を次々と潰していった結果、遂に誰も俺に逆らわなくなった。
嫌いなら関わらなければよかっただろうに、関わるから人は痛い目を見る。
「この世の中はバカばっかりだな……」
俺は窓際の席で灰色の雲に覆われた空を見ながらそう呟いた。
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