恋のはじまり

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「好きです、付き合ってください!!!!!」 突然の告白とその声のボリュームに驚き 思考回路が停止した。 …………だってココ、廊下のど真ん中だよ……? …わぁ… みんな見てるよ… 恥ずかしいな… 「高梁君…ちょっと場所変えよう…?みんな見てる…」 「で!!返事は!?どうなんですかッ!!?」 ……………ダメだ……。 何を言っても通じないだろうな… 廊下のど真ん中、ありえないほどのフルボイスで告白をしてきた彼は 『高梁佑一』。 元サッカー部の副キャプテン。 甘いマスクが多くの女子から熱い支持を受けている… 自分も彼に好意を抱かなかったわけではない。 返事はもちろん… 「こんな私でよければ…。よろしく…。」 緊張で つい返事が無愛想になってしまった… ……彼は固まっている。 ………………何で? 私の返事がいけなかったのかな… 次の瞬間―……。 「やっ…た…、やったー!!!」 彼は今まで以上の大声で叫んだ。 ………猿か。 心の中で 小さくツッコんだ。 いい加減、公衆の面前でこんなことをするのはやめていただきたい… 一緒にいるこっちが恥ずかしくなってくるじゃん… 「やべ…嬉しすぎる…。ずっと片想いだったから…」 「あ、ありがとう。」 ホントは分かってた。 メールを毎日くれたり 毎日決まった時間の長電話… 彼から好意を抱かれているということに薄々は気付いていた。 そんな日々の積み重ねで 今がある。 私の恋のはじまりです。 ―恋のはじまり―finimage=391579054.jpg
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