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「ごめんね。そろそろ真剣に勉強もしなくちゃいけないし。今日は早めに帰ろうと思ってたし」
「うん、わかった!」
私が断っても隆は怒ったり不機嫌になったりしない。
とことん優しい。
初めて寝たのだって、ファーストキスから一年も経ってから。
その一年間、隆は私がその気になるまで、気長に待ってくれた。
もちろん、キスの流れで何度かそんな雰囲気にはなったけど、私が拒むと隆はすぐに身を引いた。
「ごめん、ごめん! 優子がその気になるまで、待つからさ」
こんなふうに謝りながら。
キスだけのそんな状態が一年も続くと……
さすがに私も「隆と結ばれてもいいかなぁ」と決心がついた。
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