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「てなわけで妹らしき人物が現れたんだが俺には妹なんかいなかったよな?」
「あの…九重(ここのえ)くん?僕に聞かれても九重くんの家族構成知らないんだけど……」
結局自称妹に有無を言わせて貰えなかった俺は教室でたまたま目についた委員長の綾賢(あやさか)に絡んでいた。綾賢は気弱な僕っ娘で、そのわりには何でも器用にこなすから周りからの人気が高い。そう言う俺、九重白夜(ここのえびゃくや)も何かと委員長に相談してる一人だ。……まあ今回は委員長に尋ねてもあまり意味が無かったが。
「でも…その類いの質問なら僕よりも北見さんの方がいい相談相手になるんじゃないですか?」
「ん…それもそうか。ありがと委員長。ちと北見に聞いてみる」
委員長に見送られて北見の席へ向かう。北見の席は窓側の最後尾。そこには目付きの鋭い女生徒がいた。傍らにはいつも百科辞典並みの大きさの本を置いている。見た目や雰囲気から近寄りがたいイメージがあるが実際話してみると良いやつで、動物…特に猫からやたらと好かれるらしい。一度北見を捜すときに冗談で猫に北見の居場所を聞いたら本当に案内されて驚いた事がある。
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