帰り道、桜の雨

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キイキイと音が響く道。 寄り掛かる彼女の温もりを背中に感じる。 何も話さない。無言。 「な……」 「アンタの名前、何?」 声をかけようとすると、それより早く声を飛ばしてきた。 「雪村だよ」 「フルネーム」 さっきとは違い、元気で上からな言葉。 「雪村…凜」 「凜?」 考えるように一拍置いて。 「女みたいね」 「ぐっ……」 言われ慣れてるから、覚悟してたがストレート過ぎてやはりガツっとくる。 「でも、いい名前じゃない。雪村凜」 そのまま荷台から飛び降りる。 「私の名前は四つの宮に早いと希望の希で、四宮 早希」 颯爽と駆ける四宮。 「ただ…今日は負けたけど、これで勝ったと思うなよーっ!!」 そのまま並木道を駆け抜けていった。 「勝負なんかしてねぇよ」 その一言呟きながら見送った。
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