18人が本棚に入れています
本棚に追加
キイキイと音が響く道。
寄り掛かる彼女の温もりを背中に感じる。
何も話さない。無言。
「な……」
「アンタの名前、何?」
声をかけようとすると、それより早く声を飛ばしてきた。
「雪村だよ」
「フルネーム」
さっきとは違い、元気で上からな言葉。
「雪村…凜」
「凜?」
考えるように一拍置いて。
「女みたいね」
「ぐっ……」
言われ慣れてるから、覚悟してたがストレート過ぎてやはりガツっとくる。
「でも、いい名前じゃない。雪村凜」
そのまま荷台から飛び降りる。
「私の名前は四つの宮に早いと希望の希で、四宮 早希」
颯爽と駆ける四宮。
「ただ…今日は負けたけど、これで勝ったと思うなよーっ!!」
そのまま並木道を駆け抜けていった。
「勝負なんかしてねぇよ」
その一言呟きながら見送った。
最初のコメントを投稿しよう!