赤い駿馬と銀の駄馬

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その時、突風が吹いた。 ビニール袋が四宮の眼前に舞ってきた。 そのおかげで頂上を目前に四宮がブレーキをかけた。 そのタイミングで更にペダルを踏み込み四宮の横をすり抜ける。 おかげで生活指導の教員もかわす事ができた。 後ろでは四宮が教員に捕まり、遅刻遅刻と注意されている。 こちらに目を向けうらめしそうな顔で口パクをしてきた。 「こ、れ、で、か、っ、た、と、お、も、う、な、よ……」 呆れながらも、つい笑ってしまった。 「ったく…」 真っ直ぐ過ぎるぐらいなことが羨ましかった。 自由な四宮が羨ましい。
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